実際、我々も漂着物撤去作業でいろいろなものを見つけました。
・印鑑証明書
・クレジットカード
・契約書 地元地域組織 「結」の借用書
・企業の明細書 調査書
・アルバム 写真
・現金
我々が見つけた後どうなるかというのを簡単に明記します。
1 確保してベースキャンプに持ち帰る
2 泥などを落として綺麗にする
3 行政(役所)に届ける
4 行政が公開して持ち主を探す
我々が滞在していたときにも、作業班が見つけた結婚アルバムが持ち主の手に返ったという嬉しい話も聞きました。被災前の跡形を残していない地域の人にとっては、記憶をデザインした写真というのは本当にかけがえのないものだと思います。
写真を拾っても、もう何が写っているかわからない写真や文字が読めない手紙が多いなか、写真や時が読めるものも確かにあります。
「写真や手紙を拾う度、この人は今どうなっているのかという思いがよぎり、複雑な心境になった」と漂着物洗浄をしている人達が言っていました。もちろん拾っている我々もそうでした。津波は物だけでなく、生活、伝統、思い出までも流してしまうものと実感しました。
こういう作業だけは機械ではできません。そういう点でも被災地には人の手がまだまだ必要です。
でも嬉しい話も聞きました。大手写真メーカーで社員の一人がボランティア活動に参加し、写真の洗浄は保存が重要であることを社内に報告したところ、洗浄キットを送り、専門社員も派遣するという話がでたとのことでした。これこそ本業を活かしたCSRだと思いました。
現地ニーズをきちんと発信すれば、動く企業、できる支援もあるということです。実際、企業単位で社員を派遣している企業もいましたが、多くは中小企業でした。おそらく上場している企業だと、コンプライアンス上いろいろと問題が多く、なかなか身動きが取れないのでしょう。
ちなみに我々も会社は援助してくれていますが、あくまで自己責任のボランティアという形で現地入りしています。とはいえ、会社の姿勢、信頼できる仲間との現地入りが心強かったことは言うまでもありません。
発信もされていない、本人達はCSRだ!なんて思ってやっていない、そんな知られていない本当に素晴らしいCSR活動が世の中にはまだまだある。そういうことを改めて知ることができた体験でもありました。
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