2011年6月24日金曜日

新しくCSR活動を始めますが何から手をつけたらよいでしょうか?

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目的、現状、運営体制、この3つを整理することです。

1 目的=自社のCSRとは何か?その結果何を達成するのか?

業態が似ていても企業ごとその成り立ちは違います。そしてそのヒントは企業理念にあります。そもそも何一つCSRを果たしていない企業は存在できません。そして、そもそも何故最初の事業が成立したのか、その経緯と創業者の想いから今へきちんと結びつけることが重要です。アウトプットとしてはCSR方針となるでしょう。

2 現状の整理

CSR活動を始めるというと、なぜか日本では社会貢献活動を何かやらないといけないと考える方が多いです。しかし、まずは今社内ではどんな活動があり、それをCSRの文脈に整理するとどうなるかということから始めるのが良いです。今の活動の何がCSRのどの部分を果たしており、何が足らなくて、目的の達成にはどういう目標(指標)で動く必要があるかということが重要です。

整理軸として「ISO26000」を使うというのは非常に良いと思います。7つの中核主題ごとの分類、さらにはその下層の項目と照らし合わせて、現状を把握しましょう。

自社で今までやってきた活動の中で何がCSRのどの部分を果たしているか、そういう説明だと社内への浸透もスムーズです。

何より現状把握により、ようやく目的との乖離が見つかり、計画をたてられるからです。
ここでようやくPDCAのPを立てる準備ができます。

3 運営体制の整理(構築)

どの企業様でもCSRのご担当者様がいらしゃいますが、CSRは特定部門が全体に代わって果たすものでなく、企業全体で果たすものです。自社の強みと弱みがでてきたら、それに応じたメンバーを募集する必要があります。

重要なのは、できるだけその方の業務背景から考えて、理解できる指標や目標を一緒に策定することです。新しく別の仕事が増えると思われると身構えてしまい、なかなか巻き込みがうまくいきません。さらに、各部門が関心を持っている指標や言葉で話をする必要があります。経営層には組織、利益の観点、営業部門には利益につながる観点、人事であれば、離職率の減少や社員のモチベーションアップ等です。

共に立てたPLANを実行する分担ができて、初めてDOに行くことができます。
これから始められる企業様はまずこの3つをやられることをお薦めします。

2011年6月23日木曜日

基礎からおさえる「社内外」とのCSRコミュニケーション

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6月14日は「基礎からおさえる「社内外」とのCSRコミュニケーション」というセミナーを開催しました。初めての企画のセミナーでしたが、お客様にも恵まれて、とてもありがたい反響をいただきました。

「気づきをたくさん得られた」
「(企業の)コアバリューの大切さ、従業員の大切さがよくわかった。刺激になった。」
「前半/CSRのフレームワーク、後半/マーケティングのとCSRの関係(が良かった)」
「よく短時間で、コンパクトにCSR基礎全般について話ができた」
「CSR報告書って、ガイドラインにそってだいたい各社同じと思っていましたが、様々な目的やツールがあるんですね」

お客様のニーズは大きく2つに分かれていました。

1 CSRの基礎を知りたい
2 CSRコミュニケーションの基礎を知りたい

ということで、大きく3つのお話をしました。

1 CSRはなぜ必要か?
2 CSRとは何か?
3 CSRを誰に伝えるか?

2について、新任ご担当者様以外の方は書籍等で学ばれているので、
比較的ご存知の方が多かったと思います。

1になると少しあいまいになってくる方が増えます。
中でも「自社にとって」CSRはなぜ必要か?となると、
多くの方がまだはっきりとしていない状況であることがよくわかります。

3つ目の誰に伝えるかとなりますと、
多くの方がそこまで手が廻っていないことが明らかでした。

皆様がお困りになる点を1つだけ挙げるとしたら、

CSRはマルチステークホルダーに果たすもの

だが、

コミュニケーションする際の手法やツールは、各対象者ごとに選別する必要がある


という点です。文字にすると当たり前なんですが、以外と出来てはいないケースが多いです。


1時間半ということで、かなり駆け足の内容でしたが、
次回はもう少し具体例等盛りだくさんにして、各テーマ時間をかけて行う予定です。

また、「実際、経営層や社員が理解してくれないけれど、どうしたらいいか?」
という問いも多くうかがいました。

そういったお話は、6月28日(火)
アミタ流社会的マーケティングのススメ利益につながるCSR実践セミナー」
でお伝えする予定です。

まだ間に合いますので、ご興味ある方はぜひご参加ください。

2011年6月8日水曜日

社員を巻き込むCSR活動のポイント

6月に開催する3つのCSRセミナーの第一弾が6月2日(木)に開催されました。 
CSR・社員教育ご担当者様向け 「社員を巻き込む!CSR・環境教育セミナー」

無料とはいえ、4月の時点で既に満席。
残念ながらお断りせざるを得ない方々がでるほどの人気でした。

このセミナーはいろいろな企業を廻っているときに、
多くの企業担当者様からうかがったお悩みの一つとしていただいた、
「社内への浸透が難しい」という課題に応えるものとして開催しました。

当日はゲストが4団体があり、私は前段で全体の見所をお話するに過ぎませんでしたが、
巻き込みのポイント3つをお話しました。

1 参加しやすいステップから少しずつ上げていく
2 成功している企業の3つのポイント
3 どこから巻き込みを始めるか

いろんな担当者の方に他社事例を聞かれます。
確かに具体的事例はわかりやすいですが、その際手法に注目しがちです。


しかし、重要なのは何をやるか(手段)でなく、
なぜやるか(目的)と、どうやるか(仕組みと進め方)です。

実際当日のセミナーの事例は敢えて手法を固定して、eco検定に絞りました。
eco検定はもちろん手法として良いのでお薦めしているのですが、
同じ手法をきっかけに活動を始めても、始める経緯とその後の運用は、
3社3様ということをお伝えしたかったからです。

行っている事業によって、影響を与えるステークホルダーも変われば、
その影響度合いも変わります。

よって、下記が重要となってきます。

1 CSRがなぜ必要であるか 
2 誰に対しての活動、メッセージなのか
3  自社の社会的価値はなんなのか

こういったテーマについては以下をご参照ください。

■関連情報
社員を巻き込む!CSR・環境セミナー


CSR担当者の実務に役立つ「CSR JAPANニュース」

 

2011年6月7日火曜日

被災地ボランティアスタッフとの再会

東京に戻って嬉しい話がありました。
まめにボランティアの皆さんと連絡先を交換していた方がいらして、
5月14日に再開の機会を作ってくださいました。

集まった人数33名(おそらくですが)でした。
ほんの数日の体験でなんの強制力もない集まりにここまで人が来る。
それはすごいことです。
下は大学生から、上は50代の方々まで仕事もばらばらの人達が集まりました。

「みんなと一緒に活動できたことを誇りに思う」
「また行きたい」
「言葉を選ぶ必要があるのはわかってはいるが、被災地にいた数日間、やはり充実していた」
「こんなにサボらず一生懸命な現場は、本職でも見たことが無かった」

1 共通目標、共通体験を持つこと
2 自分が誰かの役に立っていると認識できること
3 共に苦しみを乗り越え、喜びあえる仲間がいること

これらがあると集団はまとまり、高いモチベーションを保つことができます。


中には小学校のPTAに頼まれて、子供達に体験をシェアした方がいらっしゃいました。

ハッピを切る先輩社員 K
「TVの情報で知っていることが多いはずなのに、メディアが伝えるのと、友人の父親が伝えるのではリアル感が違うんでしょうね。中には涙ぐむ子どもがいるくらい、真剣に聞いてくれました。」

当事者意識を持つことの重要性を教えてくれた事例です。
その場に行ければいいですが、身近に行った人の話を聞くだけでも、随分とリアルな手触りを持てるはずです。

当日はベースキャンプをまとめてくれていた方が、地元の漁師さん達のハッピをもらって持ってきてくれました。地元でも4着しかない貴重なハッピで、今も全部戻っていないそうです。それをいただけたということは、地元のお役に少しでもたてたと、認めてもらえたのかもしれません。一人ひとりハッピを来て撮影しました。

企業の方がプロボノを活用し社会的責任の一旦を果たすことも増えるでしょう。その際の導入をして、下記記事もご参照ください。

社員が「プロボノとして震災関連のNPOを支援したい」と言っているのですが、プロボノとは何ですか?実施する上での注意点は?

5月はほぼ震災関連記事でしたが、今後はまた通常の記事に戻ります。
震災は起こらないに越したことはないですが、時間は戻りません。
なら今後より良くなるようにするしかありません。
歌津で出会えた皆様と、その機会をくれたアミタに感謝します。

2011年6月6日月曜日

アミタの被災地活動14 5月12日 社内報告会

5月4~6日の活動を終えた私達は、無事東京に戻りました。
途中よった福島で未だに温泉街が原発の影響で稼動しておらず、街に活気がなかったことを目の当たりにもしました。

そして、5月12日に社内向けの報告会を行いました。
参加社員への簡易アンケートもとり、参加者全員が、
行ってよかった。また行きたいとのコメント。

それを社員の声で社内に返すことで、
現場にいけなかった人達に対して、啓発していきました。


こういう事業活動以外の組織を超えたコミュニケーションは、
効率化のもとに省かれてきた組織が多いかも知れません。

しかし、短期的効率化が長期的に効果的で効率的とは限りません。

1 全然違う仕事をしている社員同士が共通言語を持って語れる体験を持つ
2 体験(インプット)を伝える(アウトプット)場を持つ
3 新たな仲間を巻き込み活動を広げていく

そういう意味でアミタという組織の団結力を強めるにも非常に効果的な体験となりました。

「被災地の方は自立していくために、仕事が必要だ」

そういう声を聞いた社員の言葉に、次の支援ステージへ向けた意識が醸成されました。
今後は被災地の経済復興へ向けて、本業で取り組めるように私も動いていきます。

参考までに「復興の狼煙」ポスター
こういう活動もありますね。