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まずは、自社のレポート発行の目的をはっきりさせることが重要です。
CSRレポートのガイドラインは数多く存在します。ISO26000はあくまで情報発信ではなく行動の手引きですが、CSRレポートの内容を検討するにあたっても参考になります。各種ガイドラインもISO26000との整合性を取るために、ISO26000の発行後に改訂されているものが多いです。しかし、どのガイドラインを参考にするかを選定する前に、もっと基本的な整理が必要です。
今回は3つのポイントをお伝えします。
情報開示と情報伝達は異なる
GRI (注1) 等のガイドラインは、CSRにおいて開示すべき情報の種類や報告の仕方の手引きです。本ガイドラインには、CSRに関する情報を知りたい人のために、何をどのような考え方で開示すべきかが示されています。
情報開示の観点からは、極力多くのテーマが詳細に記載されていることが望ましいでしょう。しかし、それは読みやすさ、読まれやすさとは別問題です。これを混同すると、ガイドラインに忠実ではあるものの、あまり読んでもらえないレポートが完成する、といった状況に陥ります。レポートの情報がステークホルダーに届くためには、別の観点からの整理が必要です。
注1:Global Reporting Initiativeの略。
読み手となるステークホルダーを明確にする
CSRレポートを作る際にまず手をつけるべきことは、どの情報をどういったステークホルダーに伝える必要があるかをはっきりさせることです。開示すべき情報について、それぞれ想定読者を明確にすることが重要です。
例えば、投資機関や専門家を読者に想定した場合と、地域住民や学生を想定した場合では、表現方法は全く違うはずです。
使用場面を想定して製作する
情報の取捨選択は、特に紙媒体を扱う際に重要となります。紙の場合、情報量が増えると当然制作物の厚みも増します。辞書のようなレポートは、業務上読む必要がある人でも、なかなか抵抗があるでしょう。うまく活用されているレポートは使用目的が明確です。いくつか例示してみます。
・IR部門が機関投資家に対して使用する
・総務部が株主に対して株主総会で使用する
・営業部が顧客やサプライヤーに対して商談で使用する
・CSR部や人事部が従業員に対して社内研修で使用する
・人事部が学生に対して採用活動に使用する
これらが明確に想定できれば、製作物のページ数や記載内容が明確になってくるでしょう。中には、IR部門で機関投資家向けと個人投資家向けで製作物を分けている企業様もあります。
■詳しくはセミナーでもお伝えしています。
アミタグループのCSRセミナー
http://www.amita-oshiete.jp/seminar/category/theme/kankyo-csr.php?utm=csryebina
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