2012年10月10日水曜日

ステークホルダーとのコミュニケーションはレポートで行わなければならないのでしょうか?


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いいえ、CSRレポートや環境報告書は、ステークホルダーとコミュニケーションするツールの1つです。

ISO26000でもステークホルダーとの対話は非常に重要視されていますが、その手法については限定されていませんし、例としても様々なものが挙げられています。





■手法によっては、制約条件がある

コミュニケーションの例としては、様々なものがありますが一例を挙げます。

普段から皆様が行っているコミュニケーションツールであれば基本的に制約は受けません。大切なのはツールよりも、誰に何を伝えるかと、そのツールをどのように使うかということです。

また、右のようなコミュニケーションツールにおいて、当たり前のことですが、相手の連絡先がわからなければ使えないものもあります。イベントについては、集客という事前準備も必要となります。


■ステークホルダーとの双方向コミュニケーションをはかるには事前準備が重要

ISO26000を読む限り、ステークホルダーとのコミュニケーションでは、単方向の発信から徐々に双方向の対話を行い、最終的にはステークホルダーと共に経営の意思決定を行っていくことが理想とされています。

ステークホルダーと密な双方向のコミュニケーションをはかるには、お互いの情報を共有しておく必要があります。相手が組織の情報をある程度わからなければ、意見を求められても適切なコミュニケーションにはなりませんし、組織側も相手の状況を理解しなければ、経営判断にステークホルダーの利害を考慮できません。

よって、まずは自社のCSRに関する情報を網羅して、公開するところから始められる企業様が多く、レポートという形態で公開するケースが多いのです。

■網羅された情報の欠点

指摘事項として多いこととして、3つ挙げてみます。

1 情報量が多すぎること
2 どの情報がどのステークホルダーに向けたものか分かりづらいこと
3 個々の情報が組織の経営にどう影響を与えているかの考察が足らないこと

GRIという多くの組織が参考にしているCSRに関する報告のためのガイドラインがあります。
このガイドラインがマルチステークホルダーとのコミュニケーションを重視したため、
情報が網羅的になってきた傾向があります。

様々な領域で報告すべき事項が整理された長所はありますが、
ガイドラインの主旨が誤解され、情報が漫然と網羅されているケースも散見されます。

当然ながら読み手側は、自らの利害が関係する分野においての情報を求めています。

よって、ある程度読み手を定め、その人々達の属性が絞れてきたら、
次は株主、社員、顧客、調達先、地域住民等々個々のステークホルダーごとのコミュニケーション施策に移ってよいでしょう。

その際に、双方向のコミュニケーションをとるにはいくつかの制約条件があります。
それについては、また機会を改めて書こうと思います。

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