2011年9月2日金曜日

SR需要増加の背景~ISO26000が生まれる前 3 人権

ISO26000の生まれる背景について書いています。
今回は人権です。

■世界人権宣言
人権について重要な国際ルールといえば、「世界人権宣言」です。
(そんなに長くないのでリンクから読んでみてください)
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/udhr/

1948年12月10日に第3回国連総会において採択されました。

宣言は今の日本人が読むと多くの人は、なんだ当たり前じゃないかと思われるかもしれませんが、当時の日本では多くの人にとって当たり前でなく、今でも多くの世界では当たり前となっていないことです。また、日本でもこれらが満たされない方々がいらっしゃるはずです。

この宣言は、国だけでなく「すべての人と社会の機関」が守るべきものと呼びかけています。

国際人権規約
その後、1966年の第21回国連総会において国際人権規約採択され、1976年に発効しました。(日本は1979年に批准)
2009年5月現在 署名国数69/締約国数160となっています。→こちらで確認できます。

社会権規約(経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約)自由権規約(市民的及び政治的権利に関する国際規約)の2種類が策定されています。

→全文はこちらで確認できます。


世界人権宣言と国際人権規約は、現在におよび、国際社会において人権のよりどころとなっています。

■ラギー・レポート
国連の人権委員会は経済社会理事会のもとにおかれていましたが、その後、2006年に人権理事会となり今日に至っています。ISO2600の人権部分で参考にされた「ラギー・レポート」は、2008年6月にこの理事会に提出されたものです。ラギーとは、国連事務総長の特別顧問で、ハーバード大学教授のジョン・ラギー氏が作ったことからきています。

ラギーレポートは、UNフレームワークとも呼ばれており、OECDのガイドラインでも人権について、ラギーレポートを参考にしています。



また、2011年5月25日、OECD閣僚理事会にてOECD多国籍企業行動指針の改訂が採択されました。これらは主にISO26000で大きく前進した人権部分に加え、サプライチェーンマネジメントの強化が主題となっています。

今後、人権分野ではISO26000と共にラギーレポートが重要なよりどころとなるでしょう。企業では特に人事部門の方がラギーレポートを理解しておく必要があります。

日本企業の人権に関するとりくみをご覧になるには こちら


■関連情報
ISO26000の7つの中核課題のうち、人権の項目に悩んでいます。すぐに取り組めて意味のある、よい活動事例はありませんか?

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