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前回は、社内の活動を整理して既にある取り組みを活用しましょうとお伝えしました。今回は活動を普及させる際に抑えておくべき、「攻め」と「守り」のCSRの違いについてお伝えします。
「攻めのCSR」と「守りのCSR」
日本は法令順守の言葉のもと、厳しい組織統制を強いてきました。日本の環境部、そしてその流れを強く組んでいるCSR部もどちらかというと法令順守を重視した管理部門の流れを汲んでいる企業様が多いです。
法令順守は企業が果たさなければならない最低限のルールとして、絶対必要なので最初に取り組むのは当然のことでしょう。しかしCSRとは法律さえ守れば果たされるというものではありません。そこでCSRを2つに分けて考えます。
必要条件:ルールを守る(法律や国際規範の遵守) =「守りのCSR」
十分条件:企業の存在を通じて社会に貢献する =「攻めのCSR」
※私の定義です。
「守りのCSR」には、経済的責任(取引先や従業員へきちんとお金を払うこと等)も含まれています。
一言で言うと「守りのCSR」は果たさないといけないことであり、「攻めのCSR」は企業の自主性が問われる部分です。今CSR担当者様が悩まれているのは、「守りのCSR」がある程度進んできており、「攻めのCSR」がポイントになってきたからと思われます。
要点の違い
「守りのCSR」と「攻めのCSR」は性質が違いますので、活動の評価基準や進め方も異なって当然です。一言で言うと、「守りのCSR」は底上げで、「攻めのCSR」はトップランナー方式をとるのが良いでしょう。
法律違反は1人でも1つでも出てしまえば企業として問題です。また、ルールの自主的な解釈にも限度があり基本忠実に実施することが必要です。罰則や企業イメージダウンにつながるため、最低限の要求を必ずクリアすること、失敗しないことが重要になります。その代わり、担当者の方は何故を説明しなくても「決まりだからやらないといけません」で済みます。今まで説明してきたとしても、「違反したらどうなるか?」「何が違法行為なのか?」という部分がメインだったでしょう。
「攻めのCSR」は中長期的には必要不可欠のものですが、企業の自主性に任されます。なぜその活動が必要で、企業活動にどう影響するかが理解されなければなかなか実施できないでしょう。よって、前回お伝えしましたとおり、既にやっている活動やできている人に光を当てていく方式が良いでしょう。自主的に挑戦することに対して企業として賞賛する姿勢や、既にやった人がどのような効果を得たのかを、きちんと社内外に打ち出しましょう。
日本はしばらく「守りのCSR」を重視して取り組んできたため、「攻めのCSR」に対しても同様の流れで進めてしまいがちです。現場にも負担感とやらされ感が出ているケースがあります。進めている活動が「守り」なのか「攻め」なのかをきっちり整理した上で、進め方についても検討されるのが良いでしょう。
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